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【映画】無名

ノーランが作った「裏切りのサーカス」みたいだった。

【無名】 2023年 - 中国 - 131分

原題:
无名/Hidden Blade
監督:
チェン・アル
キャスト:
トニー・レオン
ワン・イーボー
森博之



こんなにも理解できなかった映画は初めて。
難解映画と言われがちな「裏切りのサーカス」も「メメント」も初見で(おそらく)理解できたし大好きな映画なんだけど、この「無名」は本当に分からなかった(なのであらすじすら書けない)。
点つなぎをつなぐことができなくて、点だけ見てきた感覚。何もかも分からない虚無感って、こう言うものだったのか...と初めて知って衝撃だった。

それでも雰囲気はすごく良くて、まさにさっき挙げた「裏切りのサーカス」のスタイリッシュさと静かな緊迫感、「メメント」のような巧みな時系列効果を併せ持った作品で、ちゃんと理解できれば好きな映画になりそう。例え理解できなかったとしても、スタイリッシュなMVとして2時間十分耐えうる。

とにかく歴史と政治を知らな過ぎたせいで、今何が起きているのか、何の話をしているのか、どういう情勢なのか、どの人がどう言う立場なのか、何も分からず初見では完全敗北。半分は日本の歴史の話だったのに...裏返すとこの辺の歴史教育って、本国ではみんな突然知ってて当たり前なのかな?

何となくこの人は実は共産党なんだろうな、何となくこの2人は実はこう言う関係なんだろうなって推測して観たのが合ってたので、何とかストーリーについて行けたものの、折角の劇的な筈のシーンも理解できないから感情がついてこなくてもったいなかった。
それでもクラシック音楽 × スタイリッシュなスーツ × イケメン × 煙草 x 血飛沫はすごく良きだった。そのシーンとトニー・レオンの熱めのキスシーンが私にとってのハイライトだった。

映画の後にアクションシーンのメイキングが映像があったんだけど、アクション中はシュバシュバしててめちゃくちゃかっこいいのに、カットが入った後のトニー・レオンの「もっとこうした方が良いかも」ってアドバイスとふわっとした笑顔が優しすぎて、こんなに密着してあんなに優しくされたら、共演してるうちにいつの間にか好きになっちゃうやつだと思った。羽交い締めすらバックハグに思えてきて、こんなの相手がワン・イーボーじゃなくて女優さんだったら確実に何かが始まっちゃう。

それと監督?からの指導にちょっと躊躇ってると思ったら、すかさず監督が「ケガさせちゃうのが心配?」って聞いてて、そんな風に聞く監督も監督だし、それにフフってかわいく笑うだけで返してたトニー・レオントニー・レオンだし、漫画に出てくる圧倒的強者の余裕の笑みみたいなのを素で見せられて、しかもそれがかわいくてめちゃくちゃ困惑した。

トニー・レオン、推しではないけどやっぱりだいぶ好き。


(2024/05/26)映画館(字幕)


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