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【映画】毒娘

どちらかと言うと"青春"ってジャンルを付与したい。

【毒娘】 2024年 - 日本 - 105分

監督:
内藤瑛亮
キャスト:
佐津川愛美
植原星空
伊礼姫奈
竹財輝之助

中古の一軒家に引っ越してきた深瀬家。一見幸せそうな一家だったが、夫の連れ子である娘の萌花は母親を亡くしたことで心に傷を負っていた。そんなある日、再婚相手の妻・萩乃は萌花からただならぬ様子の電話を受ける。急いで家に帰った萩乃はメチャクチャにされたリビングで萌花に馬乗りになり、ハサミを向けている謎の女の子の姿に驚愕する。実はその子は、以前この家に住んでいた近所でも有名な"ちーちゃん"と言う女の子で...



予告からネット掲示板ネタの"Kちゃん"の話がキャラベースになっているらしいと知ったので、もっとちーちゃんがひたすら"Kちゃん"的にサイコパス性を発揮する映画かと思っていたらそうでもなく、だいぶ路線が違くてもっと内面的なテーマの映画だった。

萌花役の植原星空はすっごく雰囲気のある美人さんで、ちーちゃん役の伊礼姫奈はあんなヤバそうな見た目してるのにお顔がかわいくて、2人とも髪サラサラでお肌もスベスベであ〜若いっていいな(最後何の話?)
そんな少女2人がちょっとアート的な方面に抑圧を解き放ったものだから、途中からエモいとも言えそうな雰囲気の画になってて、私は正直この手のエモい演出は好きじゃないんだけど、それでもこういう2人だけの世界の構築やモラトリアムみたいなのは分かるなって思って観てた。

ちーちゃんも猟奇的なサイコパス少女というより、思春期の燻ってる抑圧や攻撃性を具現化した存在のように思えて、実体もあるし普通の人間から生まれたただの人間にも関わらず、何となく概念的な存在にも感じられて良きだった。ジャンル的にはホラーやスリラーに区分されるようで、確かにホラー的な演出や痛そうな描写はあったもの、どちらかと言うと"青春"ってジャンルを付与したい。

でも、流石「ミスミソウ」の監督だけあって、猟奇シーンはただ痛そうなだけじゃなく、いや〜なエグさがあって良かった。1番盛り上がったシーンでは心の中で思わず「ナイ〜ス!」とサムズアップしちゃった。

黄色や赤の使い方も良かったし、モラハラの解像度なんて高過ぎてちょっと怖いくらいだったし、もっと全然中身のない映画かと思ってたから、しっかり文脈のある映画で中々の満足度だった。


(2024/05/26)映画館


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