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【映画】カラオケ行こ!

観終わるとすっかり「♪紅」が頭から離れなくなるので、胸ではなく頭の中が紅に染まってしまう。

【カラオケ行こ!】 2024年 - 日本 - 107分

監督:
山下敦弘
キャスト:
齋藤潤
綾野剛
芳根京子
北村一輝
原作:
和山やま『カラオケ行こ! (ビームコミックス)

合唱部の部長を務める中学3年生の岡聡実は、突然、怪しい男に「カラオケ行こ!」と声を掛けられる。紋付の名刺を差し出した男・成田狂児は、組長の誕生日に開催される恒例のカラオケ大会で歌ヘタ王にならないよう、聡実に歌を教えて欲しいと言い出し...



試写会にて一足お先に観てきた。

女子校出身なのもあって『女の園の星』で和山やまにハマって、『カラオケ行こ!』の原作も履修済。映画化の話が出た時「狂児役には長瀬智也が良い!」とパッ!と思い浮かんだので、正直、綾野剛に決まった時はイメージが違い過ぎて少し残念だった。まあ、そもそも映画化が決まる前に長瀬智也が引退宣言をしていたので、元々無理な話ではあったんだけど...
映画を観た後もまだ狂児役を長瀬智也にやって欲しかったと言う気持ちは捨てきれないものの、綾野剛演じる狂児がダメだったかと言うと違くて、むしろすごく良かった。

あの、のらりくらりぬるりするりと距離を詰めてくる怪しさ。いや、物理的な距離はあからさまにぐいっと詰めてくるタイプなんだけど、てか狂児のあの感じってそもそも何?インテリヤクザとも違くて、何て言ったらいいの?ソフトヤクザ?
歌も下手ではないけど、うまいとも言いきれなくて微妙にウザキモい感じが絶妙だった。でも、聡実くんが選んだ曲を歌ってた時はちゃんと普通にうまくて、綾野剛って歌うまいんだね。それと黒服がすっごく似合ってて、スタイルの良さにも初めて気づいた。足がスッとしててめちゃくちゃ長い。あと、斜め上から聡実くんを見つめる瞬間に「今めっちゃ狂児だったわ」ってなった。

原作が前後編で終わる短めの話だからか、映画を観た後にもう一度原作を読み返したら、細かいところまで丁寧に映画化されてたことに気づいて感激したので、これはトータル的に見て原作ファンも納得する映画化だったんじゃないかな?漫画的なコメディ色が薄くなった分と映画の尺的に足された部分には、思春期と愛と「映画を見る部」が詰まってた。

原作の聡実くんはもっと擦れた性格しててそこが面白いんだけど、実写の聡実くんは原作以上に思春期してて初々しさがすごく可愛かった。
ヤクザにカラオケに連れて行かれる中学生って、リアルに実写で見ると確実に通報案件(笑)。ヤクザに囲まれて狂児の腕にしがみついてた聡実くんがめちゃくちゃかわい過ぎたし、カラオケ店で自分から距離を詰めて行くところとか「元気をあげます」とか、端々に"ヤクザは嫌いだけど狂児は特別"感が出てて子犬過ぎた。

それとやっぱり"カラオケ"が重要な要素の作品なので、実際に歌が加わったのは実写化における大きな強みだったと思う。
ラストの聡実くんの「♪紅」がどうなるのか期待と心配が入り混じった感情で真剣に見守っていたら、あまりに良過ぎておばちゃん...ちょっと泣けたで。エンドロールのリトグリの合唱版「♪紅」も良かったし、観終わるとすっかり「♪紅」が頭から離れなくなるので、胸ではなく頭の中が紅に染まってしまう。

(2024/01/09)映画館 / 試写会

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