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【映画】ドミノ

らしくなさの中からも滲み出るロドリゲスの雑さ...失敬、豪快さを探し出すのも楽しい映画だった。

【ドミノ】 2023年 - アメリカ - 94分

原題:
Hypnotic
監督:
ロバート・ロドリゲス
キャスト:
ベン・アフレック
ウィリアム・フィクナー
アリシー・ブラガ

4年前、目を離した隙に最愛の娘が行方不明となってしまった刑事のローク。容疑者が逮捕されてもなお見つからない娘のこと思いながら仕事に復帰したロークは、とある銀行に強盗が入るとのリークを受け任務に当たる。そこに、言葉だけで人を操る不思議な男が現れ...



2択で考えてみよう。

頭脳と力。
複雑と単純。
防御と攻撃。
緻密と豪快。

この映画を観る前の印象を2択から選ぶとしたら、どちらかと言えば左の選択肢になったはず。
じゃあ今度はこれを「ロバート・ロドリゲスと言えば?」に変えた時。
今度は圧倒的に右の選択肢になったはず。

つまり、それだけらしくない映画を作ったロドリゲス監督。正直、どうしちゃったの?と感じていた人も少なくなかったと思う。
映像表現からノーラン監督の「インセプション」みたいな映画を期待した人にはがっかりだったかも知れないけど、いや、ロドリゲス監督だよ?と思ったら全然面白かった、というかほっとした。実際のところ「インセプション」よりはむしろ「ゲーム」みたいな心理ラリーを楽しむ映画だったように思う。

一見、謎のように見えた要素が蓋を開けてみたらびっくりするほど単純でふわっとしてるんだよね。
あと、行方不明の娘の居場所は秒で察しがつきました。

こんな風に、らしくなさの中からも滲み出るロドリゲスの雑さ...失敬、豪快さを探し出すのも楽しい映画だった。内容だけじゃなく、皮ジャンにデニムのお姉さんというのもマストな要素。
同じ列で観てた外国人のお兄さん方が、ショットガンのシーンで声を上げて笑ってたので、おそらく彼らは正当にロドリゲス監督のファンなんだろうな。

ベンアフに対して特に思い入れがないのでウィリアム・フィクナーに注目して観てたんだけど、ただ立っているだけで不穏な雰囲気があるところが良いよね。
しっとり感と殺伐さが同居してる役者だと思う。
オリンピックの代表選手じゃないんだから、と言いたくなる例の赤ジャケがダサかったので、ウィリアム・フィクナーが最後まで頑なに赤ジャケを着てなかったことにもほっとした。

最近、めちゃくちゃ長い映画ばっかりな中で、90分台の映画と言うのも非常に良き。
観る前にロッカーに預けたスタバのジンジャーブレッドラテが観終わった後、ほどよい温度に冷めてておいしかったことにも感動した。3時間映画じゃこうはいかない。

(2023/11/03)映画館(字幕)


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