ロアーの映画ログ

日夜、字数制限と戦い続ける感想激長系戦士

【映画】殺し屋のプロット

タイトルの意味が心にじんわりと響いてきて仕方なかった。

【殺し屋のプロット】 2023年 - アメリカ - 115分

原題:
Knox Goes Away
監督:
マイケル・キートン
キャスト:
マイケル・キートン
ジェームズ・マースデン
アル・パチーノ

殺し屋のノックスはクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し、度々記憶喪失を起こすようになってしまう。そんな矢先、疎遠となっていた息子から「人を殺してしまった」と助けを求められ...



予告の"記憶を失ってしまう"という説明から、てっきり認知症を患ったのかと思ったら、クロイツフェルト・ヤコブ病だった。
クロイツフェルト・ヤコブ病は恐ろしく進行が早い認知症のような病気とのこと。映画でも1 WEEK、2WEEKと1週間ごとに出来事が区切られていて、殺人をめぐるスリラーとノックスの病気の進行が、終焉へと向かって互いに競い合うように進むストーリーだった。

博士号を2つ持っているという異例の経歴の殺し屋で、目的遂行のためにやるべきことを淡々とこなしていくノックス。でもその端々に病からくる不可思議な行動が見てとれて、ノックス自身の計画をノックス自身の病が危うくしてしまう。
はっきりと記憶が飛ぶ様が描かれているシーンより、何気ない行動の中にノックスの異変やノックス自身の戸惑いを感じ取れるシーンに、どこかやるせなさを覚えてしんどかった。

それと言い方はちょっとアレだけど、お手軽に親子の献身を味わえる映画でもあった。父親役のマイケル・キートンと、息子役のジェームズ・マースデン
2人が同じ画面にいるシーンはほとんどなかったにも関わらず、最後はこの親子のあり方にほんのり泣かされた。
ノックスと娼婦とのやりとりやアル・パチーノの存在などが、どことなくハードボイルドなシブさも感じさせるし、ジャンルこそスリラーで”殺し屋"という過激な設定ではあるものの、映画自体はどこかしっとりとして静かな人間ドラマだった。

「引退してどうするの?」と聞かれると、ノックスは「遠くへ行く」と曖昧に答える。マイケル・キートンの演技力が魅せる最後の印象深いシーンから「KNOX GOES AWAY」という原題がスクリーンに写し出された時、タイトルの意味が心にじんわりと響いてきて仕方なかった。

(2026/01/18)映画館(字幕)


www.youtube.com