"ビミョー"程度の感想で済むと思っていたことすら、今思うと甘かった。
【CUBE 一度入ったら、最後】 2021年 - 日本 - 108分
監督:
清水康彦
キャスト:
菅田将暉
杏
岡田将生
田代輝
斎藤工
吉田鋼太郎
山時聡真
オリジナル:
CUBE(1997年 - カナダ - 91分)
同じような部屋がいくつも繋がっている謎の立方体”CUBE”の中で目覚めた6人の男女。状況が飲み込めないまま、残忍な罠が仕掛けられている部屋を見分けつつ、何とか出口を目指すのだが...
まあ、絶対にビミョーだろうなと思いながらも観に行った。とはいえ、オリジナルの監督が制作に協力していると聞いて、妥協できる程度にはマシに仕上がってる筈だと思っていたのに、、、、全然甘かった。"ビミョー"程度の感想で済むと思っていたことすら、今思うと甘かった。
あまりにひ、酷っ...酷すぎる...(口元を押さえて涙を堪えるポーズ)
大筋はオリジナルと一緒なのに、キューブに入れられたのがどうしようもなく"日本人"たちだった。みんな消極的ではきはきしないし、とりあえず周りの反応を伺って場を取り持とうとヘラヘラしてるし、喋り方も「え、あの...」「〜かも」「〜と思います」ってはっきりしないし、あーもーイライラしちゃう!とにかくもたもたしてるから、オリジナルとほぼ変わらない長さの映画なのに体感時間は倍くらいに思えた。
そもそも6人の職業や肩書きが微妙で、映画を観る前からこのメンバーで大丈夫か?と思っていたら、案の定大丈夫じゃなかった。みんな全然役に立ってなかった。自分じゃ何もしてないのに、誰かがちょっと失敗するとすぐ責めるのなんなの!?みんなそんな調子なので、斎藤工がめっちゃかっこよく見えた。この映画に出て得したのって、斎藤工となんだかんだおいしい役だった柄本時生くらいじゃない?
トラップも甘ちゃんで、微妙に猶予があって即死にならないのが中途半端で気持ち悪い。そもそもオリジナルのリメイクなのに、変なところで微妙に「CUBE2」に寄せてない?これ作った人「CUBE2」肯定派なの?
途中からもう、台詞も意味がよく分かんなくなってきて何言ってんのコイツらって感じで「大人なんて嫌いだ!」とほざく厨二病(を装った大人)か、"日本人が言いがちな台詞ランキング"と"それっぽくかっこよく聞こえる言葉集"を掛け合わせてAIが書いた脚本なのかな?と思えるほど展開も破綻してた。社会の縮図っぽく描こうとしてる魂胆も見えたけど、いくらなんでもテンプレだし偏見過ぎた。今時の若者ってそんなにバカじゃないよ?観客もこんなので騙されないよ?
とにかく、ここまでばーっと書いてきたのを要約するとつまり、とんでもなく酷かった。
変なメロドラマの要素を入れてくるから、そもそもキューブのことすらもどうでもよくなってきて、ホントなんだったんだこの映画。
途中、何度か帰りたくなってしまってそれでも何とか我慢したけど、ラストシーンを観てたら急に「オリジナルを汚された」って気持ちがぶわ〜っと湧いてきて、あーもーヤダヤダ帰りたいが爆発して、星野源の歌の途中で帰ってきちゃった。因みに、そこまでオリジナルにディープな思い入れもないし、普段はエンドロールは最後まで必ず観る派の人間です。
(2021/10/23)映画館
以下、ネタバレ感想
・数学のテストで0点をとったことあるから恥ずかしげもなく聞くけど、オリジナルから24年の間に素数の簡単な計算法が見つかったってこと?
・何で日本のこの手の映画ってこんなに病みオチが好きなの!?ホントのところ、そろそろみんな飽き飽きしてない?病み方も大体ワンパターンだし、狂い方が何かおかしいし、熱演されればされるほどシラけてきちゃう。役者は何も悪くないけど、作り手が悪いパターン。