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【映画】ネクスト・ゴール・ウィンズ

ついつい頑張り過ぎちゃう人や、今がなんだか幸せじゃないと感じている人におすすめしたい映画。

ネクスト・ゴール・ウィンズ】 2023年 - イギリス・アメリカ - 97分

原題:
Next Goal Wins
監督:
タイカ・ワイティティ
キャスト:
マイケル・ファスベンダー
オスカー・ナイトリー
エリザベス・モス

W杯で0対31という大敗を記し、世界最弱チームとして有名になってしまった米領サモアのサッカーチーム。たった1本のゴールすら決められないチームに業を煮やした会長は新たなコーチを募集し、新コーチのトーマス・ロンゲンをチームに迎えるが、実はロンゲンは成績不振や数々の問題行動で協会から解雇か米領サモア行きかの二択を迫られ、しぶしぶコーチを引き受けただけで...



「ソー」シリーズや「ジョジョ・ラビット」から入った人だとちょっとイメージが違うと感じたかもしれないけど、ワイチチ監督の母国ニュージーランド時代の映画を観たことがある人だと、こういう作品こそすごくワイチチ監督らしいと感じたはず。自然が豊かでスピリチュアルな文化のある国とワイチチの親和性よ。

実話ものにも関わらず、そこら中にワイチチ監督らしいユーモアとあったかさが散りばめられていて、何だか心がリラックスできる映画だった。ついつい頑張り過ぎちゃう人や、今がなんだか幸せじゃないと感じている人におすすめしたい。

人間、どうしても結果を重視しがちだけど(勝負ごとだとなおさら)気持ちに結果がついてくることだってある。
思わずクスクス笑ってしまうユーモアの中に、時折ハッとするような人生訓が詰まっていて、特に「君に幸せであって欲しい」という台詞にはハッとした。勤勉で、自分が実は頑張り過ぎていることにも中々気づき辛い国民性の日本人だとなおさら、他者から「あなたは今幸せ?」と気に掛けてもらうことって滅多にないと思う。こうなったら自分自身で時々「私は今幸せ?」と問いかけてみる習慣って大事かも知れないと思った。少しでも幸せじゃないと感じたら、ちょっと肩の力を抜いてみる。そういうご自愛マインドって今の世の中にはすごく大切だと思う。

それと選手の中には"第三の性"(トランスジェンダーともちょっと違うのかも?)を持つ選手が居て、米領サモアの人々の彼女に対する考え方がすごく素敵だった。こういう考え方が世界中で受け入れられたら世界はもっと良くなるはず。

普段、中々ないような役どころのファスを観れたのも良かった。良い意味でかっこ良くないと言うか、かっこつける必要がないと言うか。こういう人間くさい感情をむき出しにしてるファス、すっごく良い。
最弱チームの救世主となるべくやってきたコーチだけど、本当に救われたのはコーチの方だったね。

(2024/02/23)映画館(字幕)


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