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【映画】トッツィー

これまでの自分や他の男性たちがいかに女性を軽く見ていたかと言うことに、自分自身が女性の立場になって初めて気づく衝撃。

トッツィー 1982年 - アメリカ - 116分

原題:
Tootsie
監督:
シドニー・ポラック
キャスト:
ダスティン・ホフマン
ジェシカ・ラング
ビル・マーレイ
舞台:
トッツィー(2024年 - 日本)


演技にこだわり過ぎて役を落ろされてばかりの役者のマイケルは、エージェントに「もう誰もお前を雇う者などいない」と言われ、女装した姿のドロシーとしてオーディションを受け、見事昼メロの婦長役を勝ち取る。マイケルは共演者のジュリーに心を惹かれるが、ジュリーはドロシーを本当の女性だと思っていて...



ミュージカル「トッツィー」を観に行く当日におさらい鑑賞。20年以上前に一度観たきりの映画だったけど、面白かったという記憶が残っていたので、今回のミュージカルの観劇も決めた次第です。

ミュージカルでマイケルを演じていた山崎育三郎のドロシーが美だったせいで、記憶にあったダスティン・ホフマンのドロシーは完全にその辺にいるおばちゃんなイメージだったんだけど、改めて観たら普通にキレイだった。腹筋もしっかりついてるのに、ドレスを着るとウエストラインがほっそりキレイで羨ましいww

ヒロインのジュリー役のジェシカ・ラングも今ではすっかりAHSのイメージが定着していて、怖くて個性的な役者と言うイメージだったのに、今作はひたすらすっごくかわいかった。闇のジュリア・ロバーツって感じ(闇?)
そう言えばジェシカ・ラングの若い頃の作品って、名前を認知してからは初めて観たかも。

初見時はただただ面白い映画だと思ってたし、今観ても何も考えず楽しく観れる面白い映画であることに変わりないけど、ミュージカルを観た後だと、映画版の脚本がいかに素晴らしかったかということにも気づけて良かった。

ワンナイトの相手を片っ端から探していたようなクズ男のマイケルが、初めてひとりの女性とひとりの人間として深く心を通わせて行く...マイケルにとってジュリーは真の初恋だったんじゃないかな?
でもジュリーとその信頼関係を築いているのはマイケルじゃなくドロシーだという葛藤、これまでの自分や他の男性たちがいかに女性を軽く見ていたかと言うことに、自分自身が女性の立場になって初めて気づく衝撃。

笑えるコメディの中に、時々はっとするような描写をさりげないようで印象的に描いていたのが素晴らしかった。40年以上前からこういう「何が良くなかったか自分でひとずつ考えてみようね」って感じの、セラピストか幼稚園の先生かのように優しく見守って諭してくれる良い映画があったんだから、ポリコレ棒でぶっ叩いて矯正しようとしてヘイトを買うような昨今の映画なんてマジで要らないと思っちゃった。

自然とマイケルの心境の変化が見てとれるのは、ダスティン・ホフマンの名演技故かな?あのラストもすごく良かった。
それと同居人のビル・マーレイの始終冷静で客観的な態度もいい味出してて面白かった。
出番はさほど多くないのに印象深いのは流石だよね。


(2024/01/22)U-NEXT(字幕)