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【映画】ヴィクラムとヴェーダ(タミル語版)

警官と犯罪者、追う者と追われる者、善と悪。2人の道が交錯して物語が語られ、問いを重ねる度に、善と悪の境界線がどんどん曖昧になっていく。

【ヴィクラムとヴェーダタミル語版)】 2017年 - インド - 141分

原題:
Vikram Vedha
監督:
プシュカル&ガーヤトリ
キャスト:
R・マーダヴァン
ヴィジャイ・セードゥパティ
言語:
タミル語
リメイク:
ヴィクラムとヴェーダ(ヒンディー語版)(2022年 - インド - 157分)

警察の特殊チームに所属するヴィクラムたちは、中々姿を現さないギャングの大物ヴェーダを捕らえるため、正当防衛に見せかけた偽装襲撃によってギャングの手下たちを次々と殺害していた。
そんな折、ついにヴェーダが現れたとの情報を得たヴィクラムたちは、機動隊を率いてヴェーダの逮捕に向かおうとするが、まさにその時、警察署にヴェーダが自ら出頭してきて...


リメイク版であるヒンディー語の「ヴィクラムとヴェーダー」を先に観ていて(何故なら推しのリティクが出てるから)、いつか絶対オリジナルのタミル語版も観たいと思っていたので、念願の〜...どころか、1日で両verとも観比べできたし、ヴィクラムとヴェーダ弁当(この日の上映のために、地元のインド料理屋さんが劇中に出てくるマトンカレーとパロタのお弁当を特別メニューで作ってくれたもの)まで食べることができた...最強では?

ヒンディー語版を観た時は全く気づかなかったけど、この映画って実はノワール映画だった。「インファナル・アフェア」みたいな趣きがあって、香港ノワールや韓国ノワールといったアジアン・ノワール好きな人ならきっとこれも好きなはず。

南インド映画が北インドでリメイクされるとハリウッド化(ボリウッド化)で派手になるので、まさに「インファナル・アフェア」が「ディパーテッド」になった感覚と同じだと思うんだけど、タミル語版は抑えた演出のおかげで脚本の秀逸さが際立っていて、ストーリー展開はもう全部分かっているはずなのに、それでも改めて脚本のすごさに関心して、話が進むにつれ興奮もクレッシェンドで「なんて面白い映画なんだ!」とゾクゾクした。これもう絶対2024年に観た映画TOP10にランク入り決定。

警官と犯罪者、追う者と追われる者、善と悪。
2人の道が交錯して物語が語られ、問いを重ねる度に、善と悪の境界線がどんどん曖昧になっていく。テーマ曲の歌詞も映画にぴったりで、その点では個人的に「RRR」の「♪Dosti」並の名曲だと思ってる。

セさん演じるヴェーダは犯罪者と言えど、どこか愛嬌もあって、サングラスを買ってはしゃいでるところとか、車の中で寝たふりしてるところとか、ボスとダンスしてるところとか、かわいさの羅列になってしまう。

ヴィクラムも、初夜の夫婦の様子にキュンとした。反面、仕事では本当に真面目一貫そうなところが良き。

じっくりとストーリーを味わいたいなら、やっぱりタミル語版かなぁ?と思ったけど、タミル語版もヒンディー語版も本当にそれぞれの良さがあって、やっぱりどっちも観るべき案件。すでにまたおかわりしたくて仕方ないので、是非ともDVD化の件よろしくお願いします。

ところで、ひとつだけ納得行かないんだけど、チャンドラは流石に調子に乗り過ぎでしょ!すごい度胸だなこの女...と思ってしまったww
あと同じシーンの「ムンバイではこれが普通」にちょっと笑った。

(2024/04/07)映画館(字幕)/インド大映画祭



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